ゴンフォテリウム(アネクテンスゾウ)
Gomphotherium annectens

下顎と歯列(左I
2,P4,M2,M3,右M2,M3

(スケールは20cm)

産地:岐阜県可児郡御嵩町
地層:瑞浪層群平牧層
時代:第三紀中新世前期


日本で最初のゾウ
 今からおよそ2000万年前の第三紀中新世の前期に,日本に初めて現れたゾウがゴンフォテリウムである。
頭が前後に細長く,胴長で今のゾウと違い上顎だけでなく下顎にも短いキバがあった。臼歯にこぶ状の突起があるのが特徴(鈍頭歯)で,木の芽や葉を食べおもに森林に生息していた。日本に住んでいたのはアネクテンスゾウが代表的なものであるが,ヨーロッパや中国からも類似する種類が発見されており,北アフリカで誕生したゾウのグループがこの時期に分布を広げたことがわかる。この標本は京都大学総合博物館に展示されている。